文字で文学

Book, Planning, Art Direction, 2018



ふだん目にする小説や文庫本といったものには、いわゆる「読みやすい」書体と「読みやすい」組版で構成するのが一般的です。それは読者がよりコトバに集中しやすくなるためで、ぼくたちは気づかないうちに頼りにしています。
いっぽう、世界にはたくさんの書体があって多様な組み方があるので、見開き1ページをまるで音を奏でる楽譜のように遊べるのでは?と考えました。
ふだんは決して使われないけれど、あの個性的な書体で、あの有名な小説の一節をいろどってみたいと思い、つくりました。

和洋折衷いろいろな小説の世界から、20作品20書体を1つの本に折り重ねました。
また本文だけでなく、タイトルのロゴと使用した書体の解説を添えることで、小説ひとつひとつが目立つようにしました。
表紙はNTラシャで装い、目に見たとき手に取ったときに柔らかくなるよう印象付けました。また、表紙に施されたシカクは、書体を一文字ずつデザインするときに用いられるマスをイメージし、穴をあけることでどの文字でも描(えが)け、当てはめられる「自由」を表現してます。

Book Designer : Kohei Yamamoto